후리가나로 읽는 일본 고전
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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
坂口 安吾의 安吾の新日本地理(あんごのしんにほんちり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 24,574자 · 49화면
東京にはこんな時にこんな返事の仕方はない。ハイ、かしこまりました、とか、ハイ、三人前でございますね、と云うだけであろう。東京式の理にかった言い方で、理由も知らずに、
「そうですわね、三人前になさるのがとても正しいと私は思うわ」
とでも答えたら、これは奇ッ怪千万なものだ。大阪の言い廻しやアクセントではそれが奇ッ怪でないばかりか、シミジミと耳に快い。大阪人という性格を育て上げる重大な環境の一ツはこのような言い廻し、言葉だろうと私は思った。
反対に、エゲツなくザックバランにポンポン云う言葉が発達している。江戸ッ子はタンカをきるのが好きであるが、ポンポン云いまくる言い方は大阪がはるかに進んでいるし、表現が適確でもある。人を罵倒する無数の汚らしい言葉が発達している上に、実にエゲツなくグサリと人の弱点を突き刺す言い方が自在に口から出る仕組みになっているらしい。
東京の罵言が紋切型であるのに比べて、大阪のは、その物、その場に即して、写実的であり、臨機応変即物的に豊富多彩な言い廻しが自ら湧いてつきないという趣きがある。おまけにその口の早いこと。こればかりは生れついての大阪人でないと、よくききとることもできないし、紙上に再現することもできない。