후리가나로 읽는 일본 고전
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あんごしんにほんふどき
安吾新日本風土記
坂口 安吾의 安吾新日本風土記(あんごしんにほんふどき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,371자 · 34화면
私の生れたところは雪国だ。雪、雪、雪。いつも暗い冬空。しかし、ふと雪の言葉で気がつくと雨の高千穂も暗いのだ。空も暗い。山も暗い。町も暗い。人顔もやっぱり暗い。日向の明るさというものも、空がくもって冬雨がふると、やっぱり暗くなるのだなという単純な事実に降参したような気持であった。人間の小ささ、哀れさがつくづくせつなかったのだ。
バスは雨の中を走りつづけ、やがて山中で濃霧になった。
「カーブの標識が全然見えない」
運転手は苦悶の呻きを発した。彼は必死であった。私は濃霧にはじまって濃霧に終ったこの旅行が、高千穂の地の宿命かも知れないと思ったりしたのだ。霧のはれまはあるが、霧のはれまに昔ながらの自分を見出して安堵することが宿命の人々。霧がふり、霧がはれ、もとの自分を見出して一生を子孫につないできた温和で素直な漂泊の遊芸人たち。まだ車窓に見ることのできる屋根に千木をいただいた家々が非常に物悲しいものに映じたのであった。