후리가나로 읽는 일본 고전
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たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
佐藤 垢石의 完本 たぬき汁(たぬきじる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,158자 · 273화면
その若き日の旅に、私は歯がたわしのように摺り減った日和下駄をはいていた。物好きの旅ではない。国々をさまよい歩いた末の、よるべなき我が身の上であったのである。
二
私は明治の末のある年の十一月下旬、勤め先を出奔したことがある。追っ手を恐れて一足飛びに土佐の国へ飛んだ。土佐の国を選んだというのは特に頼る人があった訳ではない。ただ地図の上で見て海を隔てた遠い国であるから、そこまでは追っ手の手も届くまいと考えたからであった。
高知市で口入れ屋を尋ね、蕎麦屋の出前持ちを志願したけれど、戸籍謄本を持たないというので、ことわられた。そこで、土佐の国には諦めをつけ、神戸に渡ったのである。
神戸では本町二丁目裏の大きなちゃぶ台のある近所の口入れ屋の二階に、四、五日ごろごろしていたが、そこでも仕事はみつからなかった。それから大阪の天王寺に旧友を訪ねて、電車賃を借りて京都まで行った。
三条駅へ着いたが、京都にも別段たよる人がない。ひねもす、岡崎公園の石垣の上から疏水の流れを眺めていた。夕方になると、水の面に冷たい時雨が、ばらばらと降った。
伏見の町で古着屋を捜して、トランクを中みぐるみ売った。