후리가나로 읽는 일본 고전
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ずいひつ よせばやし
寄席囃子 正岡容寄席随筆集
正岡 容
正岡 容의 寄席囃子 正岡容寄席随筆集(ずいひつ よせばやし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,259자 · 222화면
私が中学生だった大正中世にも根津あたりの町角で白地へ三葉葵の定紋いかめしく黄金色に印刷した一枚看板のポスターがひるがえっていたことを、今もまざまざ目先に思い浮かべることができる。
昭和四、五年頃の秋の夜には、神田三崎町の三市場というやはり浪花節の定席へ、怪賊五寸釘寅吉の看板がいと佗びし気に上がっていて、私は今は亡き詩友宮島貞丈と感慨深く太文字に書かれたこの明治怪盗の名をしばし相佇んで打ち仰いだものだった。
でも、私はその松平紀義の高座も、五寸釘寅吉の高座もついに聴いてはいない。前者の場合は当時宮永町に住んでいた学友で、今日も支那文学者一戸務君を訪れる途次だったのであるから先より聴くべくもなかったが、後者の場合は私自身ひどく酔っ払っていて、寅吉もいいが、それよりもその暇にもう一軒飲んで歩こうと考えてそうそうに立ち去ってしまったのだったから、不勉強の罪、万死に値する。
松平紀義は私がポスターを見てから間もなくまたまた何かの事件を起こして捕縛され寂しく獄死してしまったが、五寸釘寅吉とて数年後、岩崎栄氏が雑誌「日の出」へ、本人の写真入りで自叙伝風の読み物は紹介されたものの、恐らくや戦前老い朽ちて死に、最早、現世声咳には接すべくもあるまい。