후리가나로 읽는 일본 고전
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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第五巻(あひるとさる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 194,515자 · 389화면
こんな微量な降灰で空も別に暗いというほどでもないのであるが、しかしいつもの雨ではなくて灰が降っているのだという意識が、周囲の見慣れた景色を一種不思議な淒涼の雰囲気で色どるように思われた。宿屋も別荘もしんとして静まり返っているような気がした。
八時半ごろ、すなわち爆発から約一時間後にはもう降灰は完全にやんでいた。九時ごろに出て空を仰いで見たら黒い噴煙の流れはもう見られないで、そのかわりに青白い煙草の薄けむりのようなものが浅間のほうから東南の空に向かってゆるやかに流れて行くのが見えた。最初の爆発にはあんなに多量の水蒸気を噴出したのが、一時間半後にはもうあまり水蒸気を含まない硫煙のようなものを噴出しているという事実が自分にはひどく不思議に思われた。この事実から考えると最初に出るあの多量の水蒸気は主として火口の表層に含まれていた水から生じたもので、爆発の原動力をなしたと思われる深層からのガスは案外水分の少ないものではないかという疑いが起こった。しかしこれはもっとよく研究してみなければほんとうの事はわからない。
降灰をそっとピンセットの先でしゃくい上げて二十倍の双眼顕微鏡でのぞいて見ると、その一粒一粒の心核には多稜形の岩片があって、その表面には微細な灰粒がたとえて言えば杉の葉のように、あるいはまた霧氷のような形