후리가나로 읽는 일본 고전
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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第五巻(あひるとさる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 194,515자 · 389화면
そんな幻のような記憶が瞬間に頭をかすめて通ったが、現実のここの場面はスカンジナビアとは地球の反対側に近い日本の東京の郊外であると思うと妙な気がした。
それからひと月もたって、B教授の形見だと言ってN国領事から自分の所へ送って来たのは大きな鋳銅製の虎の置き物であった。N教授の所へは同じ鋳物の象が来たそうである。たぶんみやげにでもするつもりでB教授が箱根あたりの売店で買い込んであったものかと思われた。せっかくの形見ではあるがどうも自分の趣味に合わないので、押し入れの中にしまい込んだままに年を経た。大掃除のときなどに縁側に取り出されているこの銅の虎を見るたびに当時の記憶が繰り返される。大掃除の時季がちょうどこの思い出の時候に相当するのである。
S軒のB教授の部屋の入り口の内側の柱に土佐特産の尾長鶏の着色写真をあしらった柱暦のようなものが掛けてあった。それも宮の下あたりで買ったものらしかったが、教授のなくなった日、室のボーイが自分にこの尾長鶏を指さしながら「このお客さんは、いつも、世の中にこのくらい悲惨なものはないと言っていましたよ」と意味ありげに繰り返して話していた。