후리가나로 읽는 일본 고전
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ちいさなやぎのきろく
小さな山羊の記録
坂口 安吾의 小さな山羊の記録(ちいさなやぎのきろく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,402자 · 19화면
それも一つの精神病のあらわれなんです、と千谷さんは笑った。千谷さんに向い、蓄膿症について、はじめて訴え叫んだ時から、全然とりあわなかった千谷さんの取り澄した顔を、時々癪にさわりつゝ、なつかしむ。
鉄格子のはまった病室で、昏酔からさめ、不自由な歩行も次第に治ると、全身のかゆみも荒れた皮膚も拭うように消え去っていた。まもなく、私は、急速に外界をなつかしみだした。私は千谷さんの許しを得て、後楽園へ野球見物を日課にしたが、私のなつかしんだ外界は、去年の秋に眺めくらしたアルプスであった。アルプスの麓で、あまり熱くない湯につかりたい、と思った。視覚の衰えが今も尚最も治らないようである。然し、それよりも、心の奥に、大いなる怒りが燃えつゞけて、治ることがないようである。ゲヘナの火だろう。私は放心からさめて、苦笑しながら、こう呟くのが、鉄格子の中の時から、癖になりだしていた。