후리가나로 읽는 일본 고전
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ろうじゅうのめがね
小笠原壱岐守
佐々木 味津三
佐々木 味津三의 小笠原壱岐守(ろうじゅうのめがね)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 57,249자 · 115화면
帳場の奥から眉の青ずんだ女将が、うろたえて出て来ると、慌てふためき乍ら、ゆうべのあの二階の部屋へ導いていった。
「どうぞ。どうぞ。さあどうぞこちらへ。こんなむさくるしいところへわざわざお越し下さいましてなんと申してよいやら。只今女たちをご挨拶に伺わせますから。さあどうぞ!――もし、お雪さん! お座布団だよ! 上等のお座布団はどこだえ!」
「…………」
「お雪さん! お雪! お雪! ――お雪はどこだえ!」
浅墓な声で呼び立て乍ら、女将は、ひとりで慌てて、閉め切ってあった向う端の部屋の襖をガラリとあけた。
同時に、
「おお」
「よう」
向うとこちらから、おどろいた声と顔とが打つかった。
意外にもその襖の向うには、ゆうべのあの新兵衛が、ゆうべのあの小娘のお雪を抱きかかえるようにして坐っていたのである。
しかし、その髪にはもう花簪はみえなかった。覚えたばかりのような媚のある目を向けて、恥かしそうに平七の顔を見あげると、また恥かしそうにお雪は顔を伏せた。
早くも有朋の目が、その姿にとまった。
お女将の推察もまた早かった。
「困るね。おまえ。こんなお客さん毎日のことだから、あとでもいいんだよ。