후리가나로 읽는 일본 고전
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ろうじゅうのめがね
小笠原壱岐守
佐々木 味津三
佐々木 味津三의 小笠原壱岐守(ろうじゅうのめがね)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 57,249자 · 115화면
なりませぬ! 殿様にお恨み申し上げてはなりませぬ!」
「いいえ申します。申します。隠した恋では厶りましょうと、あれほどもおきびしゅうお叱りを受けるような淫らな戯むれでは厶りませぬ。それを、それを、只のひと言もお調べは下さりませいで、御追放遊ばしますとはあんまりで厶ります。あんまりで厶ります」
「ならぬと言うたらなぜ止めませぬ! どのような御仕置きうけましょうとも、御恩うけた殿様の蔭口利いてはなりませぬ。御手討ちにならぬが倖わせな位じゃ。もう言うてはなりませぬ!」
「でも、でも……」
「まだ申しますか!」
「あい、申します! 晴れて添いとげたいゆえに申します。わたくしはともかく、あなた様は八つからお身近く仕えて、人一倍御寵愛うけたお気に入りで厶ります。親とも思うて我まませい、とまでお殿様が仰せあった程のそなた様で厶ります。それを、それを、只の御近侍衆のように、不義はお家の法度、手討ちじゃと言わぬばかりな血も涙もないお仕打ちは、憎らしゅう厶ります。殿様乍らお憎らしゅう厶ります」
――道弥も、ふいとそのことが思いのうちに湧き上った。思い出せばなる程そうだった。八つの年初めてお目見得に上って、お茶との御所望があったとき、過ってお膝の上にこぼしたら、ほほう水撒きが上手よ喃、と仰せられた程の殿である。