후리가나로 읽는 일본 고전
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やまのゆのたび
山の湯の旅
上村 松園
上村 松園의 山の湯の旅(やまのゆのたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 1,782자 · 4화면
その発甫には二、三ヵ所の温泉地が散在していて、これを一たいに総称して発甫といっているようです。しかし私どもの志したのは、この山麓の温泉地ではなくて、更に山の上の「天狗の湯」と称ばれる温泉なのでした。「天狗の湯」はその名の如く、むかし天狗が栖んでいたところなのでしょう、とても幽邃の境地だというのです。すでにこの山麓の温泉地でさえ、塵に遠い静寂な土地であるのに、この上幽邃といっては、どんな処だろうと、私は胸をおどらしながら、馬上の旅人になったのでした。
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ところが、この馬の手綱をとってくれた男が、不思議と画の談のできる人物で、すでに私の名前なども知っていまして、京都や東京の先生方の名なども、誰彼と言ってはいろいろ話をするのでした。発甫は前にも言った通り、画家や文士の方などが、ちょいちょいやって来る関係上、この男も自然とそれを覚えたのでしょう。「あの向うに見える家は、東京の大観先生の別荘です」などと教えてくれました。
この男は土地の百姓には違いないのですが、かなり有福に暮らしていて、何も馬方などをしなくても生活してゆける身分だそうですが、生活は有福だからとて、遊んでいるのも詰らないという気持ちから、こうして馬の口を取って、時には旅人相手に働いているのだそうでした。