후리가나로 읽는 일본 고전
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
小島 烏水의 山岳紀行文集 日本アルプス(あずさがわのじょうりゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 138,795자 · 274화면
、第3水準1-14-94)き方ではない、ヒューと呻って、耳朶を掠めて行くのだ、無論荒ッぽい風に伴って来るのである、私はその風を避けて面を伏せようとして、岩の罅け目に、高根薔薇が、紅を潮して咲いているのを発見した、匂いがいかにも高い、私はこのときほど、高山植物の神秘に打たれたことはない、白花の石楠花は、潔いけれど、血の気の失せた老嬢のように、どこか冷たかった、今一と目、この花を見ると、もう堪まらなくなって、凍えても私は、この高根薔薇を胸に抱いて死にたいと思った、高山植物というものを、殆んど摘み取ったことのない私も、このときばかりは、――白峰赤石、峰々に住ませたまう荒神たちも許させたまえ――一輪を衣裏へと秘めた、そのときは霧中の彷徨で、考える余裕もなかったことだが、文芸復興期以後、伊太利唯一の天才と呼ばれた山岳画家ジョヴァンニ・セガンチーニが、夏の初めアルプス山の雪中で、莟める薔薇を発見して「薔薇の葉」という名画を描いた、それは白い床の雪の中から髪の毛の柔かい、薔薇色の頬の愛らしい乙女が、顔を出して、涼しい眼をバッチリと瞬いている、背景は未だ寂寥な眠から醒めない、暗の空に、復活の十字架が、遠くに小さく見える、象徴の匂いの饒かな作品である、あの高根薔薇は、私には永久に忘られない花の一ツである。