후리가나로 읽는 일본 고전
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ひゃくものがたり
山椒大夫・高瀬舟
森 鴎外의 山椒大夫・高瀬舟(ひゃくものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 45,466자 · 92화면
花房は右の片足を敷居に踏み掛けたままで、はっと思って、左を床の上へ運ぶことを躊躇した。
横に三畳の畳を隔てて、花房が敷居に踏み掛けた足の撞突が、波動を病人の体に及ぼして、微細な刺戟が猛烈な全身の痙攣を誘い起したのである。
家族が皆じっとして据わっていて、起って客を迎えなかったのは、百姓の礼儀を知らない為めばかりではなかった。
診断は左の足を床の上に運ぶ時に附いてしまった。破傷風である。
花房はそっと傍に歩み寄った。そして手を触れずに、やや久しく望診していた。一枚の浴衣を、胸をあらわして著ているので、殆ど裸体も同じ事である。全身の筋肉が緊縮して、体は板のようになっていて、それが周囲のあらゆる微細な動揺に反応して、痙攣を起す。これは学術上の現症記事ではないから、一々の徴候は書かない。しかし卒業して間もない花房が、まだ頭にそっくり持っていた、内科各論の中の破傷風の徴候が、何一つ遺れられずに、印刷したように目前に現れていたのである。鼻の頭に真珠を並べたように滲み出している汗までが、約束通りに、遺れられずにいた。
一枚板とは実に簡にして尽した報告である。