일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ひゃくものがたり

山椒大夫・高瀬舟

森 鴎外

森 鴎外의 山椒大夫・高瀬舟(ひゃくものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 45,466자 · 92화면

아오조라 문고

と、佐藤は言分けらしくつぶやいた。掛布団もない寝台の上でそのまま待てとは女の心を知らない命令であったかも知れない。

女は寝た。

「膝を立てて、楽に息をしてお出」

と云って、花房は暫く擦り合せていた両手の平を、女の腹に当てた。そしてちょいと押えて見たかと思うと「聴診器を」と云った。

花房は佐藤の卓の上から取って渡す聴診器を受け取って、臍の近処に当てて左の手で女の脈を取りながら、聴診していたが「もう宜しい」と云って寝台を離れた。

女は直ぐに着物の前を掻き合せて、起き上がろうとした。

「ちょっとそうして待っていて下さい」

と、花房が止めた。

花房に黙って顔を見られて、佐藤は機嫌を伺うように、小声で云った。

「なんでございましょう」

「腫瘍は腫瘍だが、生理的腫瘍だ」

「生理的腫瘍」

と、無意味に繰り返して、佐藤は呆れたような顔をしている。

花房は聴診器を佐藤の手に渡した。

「ちょっと聴いて見給え。胎児の心音が好く聞える。手の脈と一致している母体の心音よりは度数が早いからね。」

佐藤は黙って聴診してしまって、忸怩たるものがあった。

「よく話して聞せて遣ってくれ給え。まあ、套管針なんぞを立てられなくて為合せだった」