일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しまばらのゆめ

島原の夢

岡本 綺堂

岡本 綺堂의 島原の夢(しまばらのゆめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,148자 · 8화면

아오조라 문고

わたしは明治になってから初めてこの世の風に吹かれた人間であるが、そういう人たちにはぐくまれ、そういう人たちに教えられて生長した。即ち旧東京の前期の人である。それだけに、遠い江戸歌舞伎の夢を追うにはいささか便りのよい架け橋を渡って来たともいい得られる。しかしその遠いむかしの夢の夢の世界は、単に自分のあこがれを満足させるにとどまって、他人にむかっては語るにも語られない夢幻の境地である。わたしはそれを語るべき詞をしらない。

しかし、その夢の夢をはなれて、自分がたしかに蹈み渡って来た世界の姿であるならば、たといそれがやはり一場の過去の夢にすぎないとしても、私はその夢の世界を明かに語ることが出来る。老いさらばえた母をみて、おれはかつてこの母の乳を飲んだのかと怪しく思うようなことがあっても、その昔の乳の味はやはり忘れ得ないとおなじように、移り変った現在の歌舞伎の世界をみていながらも、わたしはやはり昔の歌舞伎の夢から醒め得ないのである。母の乳のぬくみを忘れ得ないのである。

その夢はいろいろの姿でわたしの眼の前に展開される。

劇場は日本一の新富座、グラント将軍が見物したという新富座、はじめて瓦斯灯を用いたという新富座、はじめて夜芝居を興行したという新富座、桟敷五人詰一間の値四円五十銭で世間をおどろかした新富座――その劇場