후리가나로 읽는 일본 고전
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あらし
嵐
島崎 藤村
島崎 藤村의 嵐(あらし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 54,007자 · 108화면
今度の出版の計画が次第に実現されて行くことを私の子供らもよく知っていた。しかしそんなまとまった金がふところにはいるということを、私は次郎にも末子にも知らせずに置いた。
私は、「財は盗みである」というあの古い言葉を思い出しながら、庭にむいた自分の部屋の障子に近く行った。四月も半ばを過ぎたころで、狭い庭へも春が来ていた。
私は自分で自分に尋ねてみた。
「これは盗みだろうか。」
それには私は、否と答えたかった。過ぐる三十年が二度と私の生涯に来ないように、あの叢書に入れるはずの私の著作も二つとは私にないものである。長い労苦と努力とから生まれて来たものとして、髪も白さを増すばかりのような私の年ごろに、受けてやましい報酬であるとは思われなかった。
しかし、私も年をとったものだ。少年の時分から私は割合に金銭に淡白なほうで、余分なものをたくわえようとするような、そういう考えをきょうまで起こした覚えもない。今度という今度は、それが私に起こって来た。私もやっぱり、金でもたくわえて置いて、余生を安く送ろうとするような年ごろに達したのかもしれない。日あたりも悪く、風通しも悪く、午後の四時というと階下にある冬の障子はもう薄暗くなって、夏はまた二階に照りつける西日も耐えがたいこんな谷の中の借家にくすぶっているよりか、自分の好きな家で