후리가나로 읽는 일본 고전
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あるおんなのしょうがい
嵐・ある女の生涯
島崎 藤村
島崎 藤村의 嵐・ある女の生涯(あるおんなのしょうがい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 47,846자 · 96화면
閻魔堂の前から、新七達の働いている食堂の横手がよく見える。近くにはアカシヤのわくら葉が静かに落ちている。お三輪はその黄色い葉の落ち散ったところをあちこちと歩いて見て、独りで物言わぬさびしさを耐えた。
その晩もお三輪は旅人のような思いで、お力の敷いてくれた床に就いた。浦和の方でよく耳についた蟋蟀が、そこでもしきりに鳴いた。お三輪はそれを聴きながら、その公園に連なり続く焼跡の方のことを思いながら寝た。
翌朝になると、二度と小竹の店を見る日は来ないかのような、その譬えようもないお三輪のさびしさが、思いがけない心持に変って行った。ふと、お三輪は浦和の古い寺の方に長く勤めた住職のあったことを思い出した。その住職は多年諸国の行脚を思い立ちながら、寺の後継者の成長する日まで待ち、破れた本堂の屋根の修繕を終る日まで待ちするうちに、だんだん年をとってしまって、いよいよ行脚に出掛ける頃は既に七十の歳であったという。昼は昼食、夜は一泊、行くさきざきの縁故のある寺でそれを願って行って、西は遠く長崎の果までも旅したという。その足での帰りがけに、以前の小竹の店へも訪ねて来たことがある。