일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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パリのうたうたい

巴里の唄うたい

岡本 かの子

岡本 かの子의 巴里の唄うたい(パリのうたうたい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,746자 · 8화면

아오조라 문고

人間にあってうめかずにいられないところのものこそ彼女の生涯の唄の師である。

彼女が唄うところのものはジゴロ、マクロの小意気さである。私窩子のやるせない憂さ晴しである。あざれた恋の火傷の痕である。死と戯れの凄惨である。暗い場末の横町がそこに哀しくなすり出される。燐花のように無気味な青い瓦斯の洩れ灯が投げられる。凍る深夜の白い息吐きが――そしてたちまちはげしい自棄の嘆きが荒く飛んで聴衆はほとんど腸を露出するまでに彼女の唄の句切りに切りさいなまれると、其処に抉出される人々の心のうずきはうら寂びた巴里の裏街の割栗石の上へ引き廻され、恥かしめられ、おもちゃにされる。だが「幸福」だといって朱い唇でヒステリカルに笑いもする。そして最後はあまくしなやかに唄い和めてくれるのだ。ダミアの唄は嬲殺しと按撫とを一つにしたようなものなのだ。

彼女はもちろん巴里の芸人の大立物だ。しかし彼女の芸質がルンペン性を通じて人間を把握しているものだけに彼女の顧客の範囲は割合に狭い。狭いが深い。

ミスタンゲットを取り去ってもミスタンゲットの顧客は他に慰む手段もあろう。ダミアを取り去るときダミアの顧客に慰む術は無い。