후리가나로 읽는 일본 고전
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パリさい
巴里祭
岡本 かの子
岡本 かの子의 巴里祭(パリさい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 30,324자 · 60화면
新吉は危ないと思って、
――あんたこそ、ジョルジュ氏のムウショワールでもバッグへ入れてやしませんかね。」
と逆襲した。すると夫人は新吉の腕から手を抜いて肩を掴え、
――あたし、そういう情味のはなし大好きですわ。」
と言って夫人は、更めて新吉の頬に軽く接吻した。新吉は斯ういう馬鹿らしいほど無邪気な夫人に今更あきれて、やっぱり憎み切れない女だと思った。
目的もなく昼近い太陽に照りつけられながら、所々に道一杯になって踊る群衆に遮られ、または好奇心から立止まってそれを眺めたりしている内に、二人は元へ戻るような気のする坂道を登りかけて居るのを感じた。道のわきに柵があって、その崖の下の緑樹の梢を越してトロカデロ宮殿の渋い円味のある壁のはずれを掠めて規則正しくセーヌへ向けてゆるやかな勾配を作っている花壇の庭が晴々しく眺められた。庭の勾配が尽きて一筋の長閑な橋になり、橋を跨いでいる巨人の姿に見えるエッフェル塔は河筋の水蒸気のヴェールを越しているので、いくらか霞んで見える。振り仰いで見ると流石に大きかった。太い鉄材の組合せの縞が直きに平らな肌になり、細く鋭く天を衝く遥かな上空の針の尖に豆のような三色旗が人を馬鹿にしたようにひらめいていた。