후리가나로 읽는 일본 고전
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パリさい
巴里祭
岡本 かの子
岡本 かの子의 巴里祭(パリさい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 30,324자 · 60화면
ベッシェール夫人は藤のテーブルの上へ置いた紅茶の瓶口の下についている雫止めのゴム蝶の曲ったのを、一寸直し、濡れた指を手首に挟んだハンカチで拭くとその手をずっと伸して新吉の顎にかけて自分に真向きに向かせる。
――さあ、そんな他所事ばかり言ってないでもう仰しゃいな。なぜ今年は巴里祭に残っているかって言うことを。あたしはどうもたゞの残り方じゃないと睨んでいるのよ。様子だってふだんと違っていらっしゃるわ。」
新吉は気が付いて見ると成程此のテーブルへ来て二十分ほど経つのに顔をうつ向けてばかりいた。今更あわてゝ眼を二つ三つ瞬いて空や庭を見廻す。刈り込んだ芝生に紅白の夏花が刺繍のように盛上っている。
――まるで子供ね。胡麻化すつもりでいらっしゃる。」
夫人は狡そうに微笑しながら暫らく新吉の顔を見詰めた。この青年に恋して居るというわけではない。然しこの青年がもし他の女に恋しているとでもなったら嫉妬から彼女の気持ちの向きがどう変るかも判らない。いびつな夫婦生活ばかりして来て、とうとうそれも破れて仕舞った此の老美人の悲運が他人の性愛生活にまで妙な干渉を始めるようになっていた。