후리가나로 읽는 일본 고전
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パリさい
巴里祭
岡本 かの子
岡本 かの子의 巴里祭(パリさい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 30,324자 · 60화면
」
夫人は酒を悦し相に呑み乍ら、こんな判らないことをジャネットに言いかけコップを大事そうに嘗め眼をつぶっている。
――あたし酔ったら此のムッシュウをあなたに譲らなくなるかも知れないわ。」
本気とも病的な冗談ともつかない斯んな夫人の言葉も、ジャネットには気にかゝらない――ジャネットの若い敏感性がベッシェール夫人の人の好さを、すっかり呑み込んだらしかった。それよりか、つき上げて来る活気に堪えないとでもいうようにジャネットは音楽の変る度びに新吉を攫って場に立った。新吉はジャネットを抱えていて暫くは弾んで来る毬のように扱っていた。新吉にはもう今日一日のことは全て空しく過されて、たゞ在るものは眼の前の小娘を一人遊ばせて居るという事実だけだった。俺をニヒリストにした怪物の巴里奴が、此のニヒリストの蒼白い、ふわ/\とした最後の希望なんか、一たまりもなく雲夢のように吹き飛ばすのさ。とうとう今日の祭にカテリイヌにも逢わせては呉れなかった巴里だ。――新吉は恨みがましく眼を閉じて、ともすれば自分を引き入れようとする娘の浮いた調子をだん/\持て扱い兼ねて外ずしつゝ、外ずしつゝ、踊りは義理に拍子だけ合せるようになって仕舞った。