후리가나로 읽는 일본 고전
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
林 不忘의 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉(こうせつきょうほうずえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 365,120자 · 728화면
「人を思うことが、どんなに苦しいことか――この年齢になって、あの人というものが、わたしの前に立ったのでございますよ。
お高さま、お高さまは、あの人のお内儀でございますよねえ。一度はいいえ、ひところは、心からあの人を好きだとお思いになったこともございましょうよ。どんなに女をあやなして、好きにさせることの上手な人か、お高さまは、よくご存じでございますよねえ。
あの人は、あの人は――あの人はああなって、お高さまもいま掛川へおたちになってしまえば、わたしは、一人ぽっちでございますよ。掛川へなぞいらしってはいけませんよ」
おせい様とお高は、たがいにかき集めるように抱き合って、長いこと泣いた。二人の周囲から世の中が遠のいて、なみだとすすり泣きの声が、あるだけだった。
おせい様が、さきに鼻をかみ出して、じぶんの膝に押しつけているお高の顔を、両手にはさんで押し上げるようにした。おせい様は、洗われたような顔を、恥ずかしそうに笑わせていた。
「泣くのはいけませんでございますよ。くたびれますよ」
お高は、そのおせい様のことばがおかしくて、今度は急に、おなかをかかえて笑い出した。