후리가나로 읽는 일본 고전
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ほ
帆
宮本 百合子
宮本 百合子의 帆(ほ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,973자 · 25화면
藍子はそれを下げて、窓際へ行った。
「――。千束の人ですか」
「ええ、そうです」
尾世川は、やっぱり照れたような具合で熱心に云った。
「どうも困っちゃったんです。妙な嫌疑なんかかけやがるから」
「どうしたんです、本当に御存じないんですか」
「本当ですとも。――今の男の妻君の妹分に当る女ってのが、私もちょっと知ってるには知ってるんですが、二日ばかり前にいなくなったんだそうです。鏡台の中とかに私の所書があったからって来たんですが、……私はそんなことちっとも知りゃしないんですよ」
「ひどく不満そうですね」
藍子が、可愛い眼に悪戯らしい色を浮べて笑った。尾世川も思わず釣られて破顔したが、
「いや、決してそう云う訳じゃないんです」
と、彼は持前の、唾のたまり易い口を突き出すようにして弁解した。
「五月蠅いですからね」
藍子は悪意のない皮肉で心持大きい口を歪め、美しい笑いを洩した。五月蠅いのが嫌いな尾世川であろうか! 彼が生れた日の星座がそうだとでもいうのか、五月蠅いことのためばかりに、彼は弟子の藍子に頭が上らないほど身をつめ、しかも欣々然と我が世の重荷を背負っているではないか。