후리가나로 읽는 일본 고전
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ききょらい
帰去来
太宰 治의 帰去来(ききょらい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,477자 · 31화면
私は絶対に嘘を書いてはいけない。
中畑さんも北さんも、共に、かれこれ五十歳。中畑さんのほうが、一つか二つ若いかも知れない。中畑さんは、私の死んだ父に、愛されていたようだ。私の町から三里ほど離れた五所川原という町の古い呉服屋の、番頭さんであったのだが、しじゅう私の家へやって来ては、何かと家の用事までしてくれていたようである。私の父は中畑さんを「そうもく」と呼んでいた。つまり、中畑さんには少しも色気が無くて、三十歳ちかくなってもお嫁さんをもらおうとしないのを、からかって「草木」などと呼んでいたものらしい。とうとう、私の父が世話して、私の家と遠縁の佳いお嬢さんをもらってあげた。中畑さんは、間もなく独立して呉服商を営み、成功して、いまでは五所川原町の名士である。この中畑さん御一家に、私はこの十年間、御心配やら御迷惑やら、実にお手数をかけてしまった。私が十歳の頃、五所川原の叔母の家に遊びに行き、ひとりで町を歩いていたら、
「修ッちゃあ!」と大声で呼ばれて、びっくりした。中畑さんが、その辺の呉服屋の奥から叫んだのである。だし抜けだったので、私は、実にびっくりした。