후리가나로 읽는 일본 고전
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ききょらい
帰去来
太宰 治의 帰去来(ききょらい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,477자 · 31화면
それは女中さんであった。
背後にスッスッと足音が聞える。私は緊張した。母だ。母は、私からよほど離れて坐った。私は、黙ってお辞儀をした。顔を挙げて見たら、母は涙を拭いていた。小さいお婆さんになっていた。
また背後に、スッスッと足音が聞える。一瞬、妙な、(もったいない事だが、)気味の悪さを感じた。眼の前にあらわれるまで、なんだかこわい。
「修ッちゃあ、よく来たナ。」祖母である。八十五歳だ。大きい声で言う。母よりも、はるかに元気だ。「逢いたいと思うていたね。ワレはなんにも言わねども、いちど逢いたいと思うていたね。」
陽気な人である。いまでも晩酌を欠かした事が無いという。
お膳が出た。
「飲みなさい。」英治さんは私にビイルをついでくれた。
「うん。」私は飲んだ。
英治さんは、学校を卒業してから、ずっと金木町にいて、長兄の手助けをしていたのだ。そうして、数年前に分家したのである。英治さんは兄弟中で一ばん頑丈な体格をしていて、気象も豪傑だという事になっていた筈なのに、十年振りで逢ってみると、実に優しい華奢な人であった。東京で十年間、さまざまの人と争い、荒くれた汚い生活をして来た私に較べると、全然別種の人のように上品だった。