후리가나로 읽는 일본 고전
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
高村 光雲의 幕末維新懐古談(ばくまついしんかいこだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,451자 · 15화면
さて、翌日実地検分に出掛けました。
山猿のような例の老爺が先に立って私と後藤君とは山道に掛かりましたが、左の方は断崖絶壁……下を覗いて見ると、幾十丈とも分らぬ谷底の水が紺青色をして流れている。それを見ると、もう一足も先に出ないような気がします。というのはその断崖の山の半腹から道がその絶壁の谷へと流れていて、それを我々は攀じているのですから、ひょっと踏みはずせば、千尋の谷底へ身体は落ちて粉微塵となるわけです。しかし、山猿のような人間には、何んでもないこと、木の枝岩角などに縋って、私たちの手を引っ張り上げてくれなどして、漸々木のある場所まで登りましたが、さあ、今度は降りるのに大変……少し降りかけた処に一本の栃の木が天を摩して生えている。
「これだ。お前さんに売ろうという木は……」
と老爺は指しました。
なるほど、話の如く、それは実に立派な栃の木で、幾千年をも経たかと思われる。
「どうも素晴らしい樹ですな」
と後藤氏も幾抱えもあろうというその幹を見ております。
老爺が寸法を取ると、廻りが二丈余、差し渡し七尺幾寸かある。
「どうだね。七尺からある。三円は安いもんだ」