후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
こうふくのかんかく
幸福の感覚
宮本 百合子
宮本 百合子의 幸福の感覚(こうふくのかんかく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,231자 · 14화면
太古のエジプト人たちは、人間の生命は息と眼の中に宿るものだと考えた。もしそうでないなら、息がとまったとき死という現象が起り、眼の光が失われてつむったとき人間も死ぬということはない、と彼らは考えた。そして、生命という意味の象形文字は、自分たちの顔にあったと同じようなきれの長い真中に瞳の据った一つの眼にきめていた。
ギリシア人たちが、生命は動く元素から成るといい、デモクリトスが原子論をとなえたのはひろく知られているが、その時から千三四百年経った今日では、電気が発見されていて、人間の生成をふくむ宇宙の諸関係というものがきわめて複雑な相互作用の千変万化の姿であるという理解に到達している。その変化をつらぬく法則は理解されている。私たちはもう、人間の命は眼の中にあるという素朴な固定で考えてはいない。けれども、昔のエジプト人たちの知らなかった生理の知識によって人間の眼の構造の精緻なことを感嘆する私たちのよろこばしい驚きはますます深くゆたかにされている。そして、その眼が精妙な仕組みのなかに私たちの愛するものの姿を映したとき、あるいは美しいものを映したとき、私たちの全心に流れわたる愉悦の感覚は、眼そのものにさえつやと輝きとを増す肉体と精神の溌剌可憐な互のいきさつを、ひしひしと自覚しているのである。