후리가나로 읽는 일본 고전
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まぼろしのかなた
幻の彼方
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 幻の彼方(まぼろしのかなた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 41,763자 · 84화면
余し腹痛は産後も屡々あった。子宮が収縮する度に痛むのですから、痛むほど早く元に直るのですよ、と産婆が云った言葉を彼女は思い出して、彼にも黙っていたのだった。所が午頃から激烈な疼痛がやってきた。床の上に身をねじって苦しんだ。痛みが去るとねっとり汗をかいていた。それが頻繁にやってきた。夕方になって少し遠のいた。それからうとうと眠ったそうだった。
「腹の痛みはともかく、ひどく熱があるようじゃないか。」
「そう?」と彼女はまた半信半疑の答えをした。
熱を測ると彼は喫驚した。三十九度一分に上っていた。
先ず産婆を呼ぶことにした。女中が駆け出して行った後で、彼は和服に着代えて食膳に向った。秋子は何も食べたくないと云った。それでも赤ん坊に乳をやっていた。
間もなく産婆が来てくれた。産婆にもよく分らなかった。その紹介で、産科婦人科の坪井医学士に頼むこととした。近所の電話をかりてかけさせると、すぐに行くとの返辞だった。
秋子はまた腹痛を訴えだした。産婆の指図で、腹部に温湿布をし、頭に氷嚢をあててやった。痛みが去ると、彼女はまたうとうとしていた。
すっかり夜になってから、坪井医学士が来てくれた。