후리가나로 읽는 일본 고전
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まぼろしのたて
幻影の盾
夏目 漱石의 幻影の盾(まぼろしのたて)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,372자 · 45화면
この時ルーファスの次に座を占めたるウィリアムが「渾名こそ狼なれ、君が剣に刻める文字に耻じずや」と右手を延ばしてルーファスの腰のあたりを指す。幅広き刃の鍔の真下に pro gloria et patria と云う銘が刻んである。水を打った様な静かな中に、只ルーファスが抜きかけた剣を元の鞘に収むる声のみが高く響いた。これより両家の間は長く中絶えて、ウィリアムの乗り馴れた栗毛の馬は少しく肥えた様に見えた。
近頃は戦さの噂さえ頻りである。睚眦の恨は人を欺く笑の衣に包めども、解け難き胸の乱れは空吹く風の音にもざわつく。夜となく日となく磨きに磨く刃の冴は、人を屠る遺恨の刃を磨くのである。君の為め国の為めなる美しき名を藉りて、毫釐の争に千里の恨を報ぜんとする心からである。正義と云い人道と云うは朝嵐に翻がえす旗にのみ染め出すべき文字で、繰り出す槍の穂先には瞋恚のが焼け付いている。狼は如何にして鴉と戦うべき口実を得たか知らぬ。鴉は何を叫んで狼を誣ゆる積りか分らぬ。只時ならぬ血潮とまで見えて迸ばしりたる酒の雫の、胸を染めたる恨を晴さでやとルーファスがセント・ジョージに誓えるは事実である。