후리가나로 읽는 일본 고전
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まぼろしのたて
幻影の盾
夏目 漱石의 幻影の盾(まぼろしのたて)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,372자 · 45화면
ウィリアムは盾に凝る血の痕を見て「汝われをも呪うか」と剣を以て三たび夜叉の面を叩く。ルーファスは「烏なれば闇にも隠れん月照らぬ間に斬って棄よ」と息捲く。シーワルドばかりは額の奥に嵌め込まれたる如き双の眼を放って高く天主を見詰めたるまま一言もいわぬ。
海より吹く風、海へ吹く風と変りて、砕くる浪と浪の間にも新たに天地の響を添える。塔を繞る音、壁にあたる音の次第に募ると思ううち、城の内にて俄かに人の騒ぐ気合がする。それが漸々烈しくなる。千里の深きより来る地震の秒を刻み分を刻んで押し寄せるなと心付けばそれが夜鴉の城の真下で破裂したかと思う響がする。――シーワルドの眉は毛虫を撲ちたるが如く反り返る。――櫓の窓から黒烟りが吹き出す。夜の中に夜よりも黒き烟りがむくむくと吹き出す。狭き出口を争うが為めか、烟の量は見る間に増して前なるは押され、後なるは押し、並ぶは互に譲るまじとて同時に溢れ出ずる様に見える。吹き募る野分は真ともに烟を砕いて、丸く渦を巻いて迸る鼻を、元の如く窓へ圧し返そうとする。風に喰い留められた渦は一度になだれて空に流れ込む。暫くすると吹き出す烟りの中に火の粉が交じり出す。