후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
まぼろしのたて
幻影の盾
夏目 漱石의 幻影の盾(まぼろしのたて)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,372자 · 45화면
模様があまり細か過ぎるので一寸見ると只不規則の漣が、肌に答えぬ程の微風に、数え難き皺を寄する如くである。花か蔦か或は葉か、所々が劇しく光線を反射して余所よりも際立ちて視線を襲うのは昔し象嵌のあった名残でもあろう。猶内側へ這入ると延板の平らな地になる。そこは今も猶鏡の如く輝やいて面にあたるものは必ず写す。ウィリアムの顔も写る。ウィリアムの甲の挿毛のふわふわと風に靡く様も写る。日に向けたら日に燃えて日の影をも写そう。鳥を追えば、こだまさえ交えずに十里を飛ぶ俊鶻の影も写そう。時には壁から卸して磨くかとウィリアムに問えば否と云う。霊の盾は磨かねども光るとウィリアムは独り語の様に云う。
盾の真中が五寸ばかりの円を描いて浮き上る。これには怖ろしき夜叉の顔が隙間もなく鋳出されている。その顔は長しえに天と地と中間にある人とを呪う。右から盾を見るときは右に向って呪い、左から盾を覗くときは左に向って呪い、正面から盾に対う敵には固より正面を見て呪う。ある時は盾の裏にかくるる持主をさえ呪いはせぬかと思わるる程怖しい。頭の毛は春夏秋冬の風に一度に吹かれた様に残りなく逆立っている。