후리가나로 읽는 일본 고전
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げんじゅつてんまたろう
幻術天魔太郎
野村 胡堂
野村 胡堂의 幻術天魔太郎(げんじゅつてんまたろう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 45,616자 · 90화면
「いや、大まぬけな話だ。なんのために役人がいるのだ」
阿曾倉監物は、まことによい心持そうです。自分のあずかった囚人泉田筑後は、あくる日のしおきのため、小塚ガ原のたまりにおいたため、無事だったとは気がつきません。
その時、
はれわたった朝空の一角に一点くろい雲がみえたとおもう間もなく、しだいに空半面にひろがって、一陣の強風、天の一角からサッと吹きおろしました。
落花と土砂と、うずをまいておそいかかると見るや、役人も小者も、囚人の泉田筑後までも一しゅんかきけすように見えなくなったのです。
「それ、魔がさしてはならぬ、時刻は少し早いが、すぐさましおきの用意ッ」
土砂がすぎると、阿曾倉監物立ちあがってわめきたてました。
「おッ、かしこまってござる」
係り役人総だちになって、小塚ガ原しおき場の竹矢来の中へ囚人泉田筑後をまん中に、ドッと入ったのです。
「早く、少しも早く」
泉田筑後は荒ムシロをしいた土壇場にひきすえられました。棟梁といっても、これは百石取の見識で、作事奉行のつぎに監督権をもったお城大工、人品骨柄もまことにりっぱです。泉田筑後は観念の目をとじて、最後の座になおりました。