후리가나로 읽는 일본 고전
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げんじゅつてんまたろう
幻術天魔太郎
野村 胡堂
野村 胡堂의 幻術天魔太郎(げんじゅつてんまたろう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 45,616자 · 90화면
「うん、しからば、太郎!」
猫間犬丸はくやしそうでした。が、おもいなおして腰の扇をとり、やぐらの下にポンとほうると扇は二つ三つ宙がえりして、大地へおちたときには一団の火焔車となり、うなりをしょうじて南のやぐらにせまるのです。
方二メートルの大火焔車、しば草もやぶも立木もやいて、一気にやぐらをやきたてようとするのでしょう。が、天魔太郎もだまって見てはいません。
「なんのこれしき」
やぐらの下をのぞんで空中に二つ三つ文字をかくと、みるみるやぐらの四方に噴泉がわいて、たちまち数条の大滝ができ、うなりをしょうじてころげくる火焔車を水晶のスダレのようにおっとりつつむのです。水と火とのはげしい争いはしばらくつづきました。ふきあがる水蒸気は道灌山をいっぱいにつつんでしばらくは夜のようにくらくなりましたが、やがてその蒸気が一陣の風にとびちると、のこるのはもとの草とやぶばかり、道灌山の広場には、水一滴こぼれたあともありません。
竹矢来のそとからは、ドッとかん声があがりました。こんなすばらしい術くらべは、どこへいっても見られたものではありません。
と、竹矢来のそとから北のやぐらの猫間犬丸めがけて、バラバラと礫の雨がふってきました。