후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆうれいとスクリュウ
幽霊と推進機
夢野 久作
夢野 久作의 幽霊と推進機(ゆうれいとスクリュウ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,905자 · 24화면
に包まれて寝かされている。その二の腕に出来た原因不明の擦過傷を、黒いアゴヒゲを生やした医者らしい男が、
「……静かに……静かに……」
と云いながら叮嚀に拭き浄めているのであった。
その男が使う独逸ナマリの英語は実にわかりにくくて弱った。しかし大体の要点だけは、暫く話しているうちにヤッと呑み込めた。
この男はこの船の船医で、ブーレーというミュンヘン出のドクトルであった。船は昨日香港を出て来たばかりのクライデウォルフ号という七千噸級の独逸汽船で、長崎から横浜へまわる客船であったが、今朝早く浪の間を転々している私を助け上げてみると、宝石や札束を詰めた自転車のチューブを、胴体一面に巻き付けていたので、皆ビックリさせられた。しかし相当の身なりをしていたし、領事の名刺や手紙などを、旅行免状と一所に、チャント肌身に付けていたので、然るべき身分の者と思われたらしく、何もかも大切に……蘇蘭製のコルク・チョッキまでも一緒にして事務長の手に保管して在るから、安心して養生なさい……と云うのであった。
私はそれから急に元気付いた。
ブーレー博士が質問するまにまにポツポツと遭難談を初めたものであるが、話が二人の水夫の幽霊のところまで来ると、不思議にもブーレー博士が一層熱心になって、鼻眼鏡をかけ直しかけ直し謹聴してくれた。