후리가나로 읽는 일본 고전
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ひろばのベンチ
広場のベンチ
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 広場のベンチ(ひろばのベンチ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,998자 · 15화면
そうなると、もういけなかった。彼は頭を振り、室の襖を開け放し、棒で竹筒を突き倒し、鼠を逃がしてやった。
じっと眼を見合せたのは、それと同じだが、十内のあの場合は、事の次第が全く違っていた。その上、十内は兵士であり武装していた、彼は飛び上って、銃剣で相手を刺殺した。青服の少女は声も立てなかった。
或るいは、彼女はほんとうに白痴だったのかも知れない。部落中の者が逃げ去った後まで、一人でそこに残っていたからである。或るいは、彼女は特別な意志と意図のもとに、そこに潜んでいたところを、酒に酔った兵のために身を汚され、恐怖と絶望の底に陥っていたのかも知れない。十内の本能的な反応はそれを語るようである。
では、十内はなぜ彼女を刺殺したのか。惨酷な罪悪と、その痕跡とに対して、憤激したからであったろう。実際そこに、罪悪が現存し、その痕跡が現存していた。彼女の眼はそれを訴えていた。
然し、その二つを抹殺することによって、十内は別な罪を犯してしまった。彼女の眼を思い起す毎に、十内は身震いするほどの憎悪を覚えた。やがて時がたつにつれて、憎悪の感は薄らぎ、彼女の眼も遠くぼやけていった。