후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
かげ
影
芥川 竜之介의 影(かげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,337자 · 21화면
「可笑しいぞ。あの裏門には今朝見た時も、錠がかかっていた筈だが。」
そう思うと共に陳彩は、獲物を見つけた猟犬のように、油断なくあたりへ気を配りながら、そっとその裏門の前へ歩み寄った。が、裏門の戸はしまっている。力一ぱい押して見ても、動きそうな気色も見えないのは、いつの間にか元の通り、錠が下りてしまったらしい。陳はその戸に倚りかかりながら、膝を埋めた芒の中に、しばらくは茫然と佇んでいた。
「門が明くような音がしたのは、おれの耳の迷だったかしら。」
が、さっきの足音は、もうどこからも聞えて来ない。常春藤の簇った塀の上には、火の光もささない彼の家が、ひっそりと星空に聳えている。すると陳の心には、急に悲しさがこみ上げて来た。何がそんなに悲しかったか、それは彼自身にもはっきりしない。ただそこに佇んだまま、乏しい虫の音に聞き入っていると、自然と涙が彼の頬へ、冷やかに流れ始めたのである。
「房子。」
陳はほとんど呻くように、なつかしい妻の名前を呼んだ。
するとその途端である。高い二階の室の一つには、意外にも眩しい電燈がともった。
「あの窓は、――あれは、――」
陳は際どい息を呑んで、手近の松の幹を捉えながら、延び上るように二階の窓を見上げた。