후리가나로 읽는 일본 고전
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いようへん
影を踏まれた女
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 影を踏まれた女(いようへん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 23,110자 · 46화면
小僧は持っている提灯をかざして、その燈籠の正体をたしかに見届けようとすると、今まで白くみえた燈籠がだんだんに薄あかくなった。さながらそれに灯がはいったように思われるのである。そうして、その白い尾を夜風に軽くなびかせながら、地の上からふわふわと舞いあがっていくらしい。女房は冷たい水を浴びせられたような心持になって、思わず小僧の手をしっかりと掴んだ。
「ねえ、お前。どうしたんだろうね。」
「どうしたんでしょう。」
熊吉も息を呑み込んで、怪しい切子燈籠の影をじっと見つめていると、それは余り高くも揚がらなかった。せいぜいが地面から三、四尺ほどのところを高く低くゆらめいて、前に行くかと思うと又あとの方へ戻ってくる。ちょっと見ると風に吹かれて漂っているようにも思われるが、かりにも盆燈籠ほどのものが風に吹かれて空中を舞いあるく筈もない。ことに薄あかるくみえるのも不思議である。何かのたましいがこの燈籠に宿っているのではないかと思うと、女房はいよいよ不気味になった。
今夜は盂蘭盆の草市で、夜ももう更けている。しかも今まで新ぼとけの前に通夜をして来た帰り路であるから、女房はなおさら薄気味わるく思った。