후리가나로 읽는 일본 고전
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おほりばたさんだい
御堀端三題
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 御堀端三題(おほりばたさんだい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,863자 · 12화면
しかも日が暮れてから帰宅するので、この柳のかげに休息して凉風に浴するの機会がなく、年ごとに繁ってゆく青い蔭をながめて、昔年の凉味を忍ぶに過ぎなかったが、我国に帝国議会というものが初めて開かれても、ここの柳は伐られなかった。日清戦争が始まっても、ここの柳は伐られなかった。人は昔と違っているであろうが、氷屋や甘酒屋の店も依然として出ていた。立ちン坊も立っていた。
その懐かしい少年時代の夢を破る時が遂に来った。彼の長州原がいよいよ日比谷公園と改名する時代が近づいて、先ずその周囲の整理が行われることになった。鰻の釣れる溝の石垣が先ず破壊された。つづいてかの柳の大樹が次から次へと伐り倒された。それは明治三十四年の秋である。凉しい風が薄寒い秋風に変って、ここの柳の葉もそろそろ散り始める頃、むざんの斧や鋸がこの古木に祟って、浄瑠璃に聞き慣れている「三十三間堂棟由来」の悲劇をここに演出した。立ちン坊もどこかへ巣を換えた。氷屋も甘酒屋も影をかくした。
それから三年目の夏に日比谷公園は開かれた。その冬には半蔵門から数寄屋橋に至る市内電車が開通して、ここらの光景は一変した。