일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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こころのアンテナ

心のアンテナ

佐々木 邦

佐々木 邦의 心のアンテナ(こころのアンテナ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,973자 · 27화면

아오조라 문고

偶大阪から帰った同業が訪ねて来て、そんな噂をして行った後、

「おれもあのまゝ彼方にいればなあ」

と師匠がつい述懐した。

「彼方にいれば何ですか?」

と奥さんが直ぐに突っ込んだ。師匠は単に此方と彼方では芸の需要が違うという意味だったが、奥さんは気を廻し過ぎる。先頃から多少過敏になっていた。

「何てこともないよ」

「いゝえ。何てこともあるからでしょう? あなたは大阪の師匠の娘さんが未だ忘れられないのよ」

「馬鹿を言え」

「何うせ馬鹿ですよ、私は。そんなこと、初めから分っているじゃありませんか? 重役になる人を断って、見す/\あなたのところへ来たくらいですから」

「憤っているのかい? お前は」

「腹が立てば、馬鹿でも憤りますよ」

「詰まらない」

「何が詰まらないんですか? あなた、詰まらない次第を聞かせて戴きましょう」

「勝手にしろ」

と師匠が声を励ましたものだから、側に控えていた銀二郎君は、

「まあ/\、師匠」

と遮った。

「何だ?」

「まあ/\」

「お前はお蔦の肩を持つのか?」

「いや、決して」

「それなら黙っていなさい」

「へい」

「あなた、次第を聞かせて戴きましょう」

と奥さんが繰り返した。