일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しそうとふうぞく

思想と風俗

戸坂 潤

戸坂 潤의 思想と風俗(しそうとふうぞく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 216,700자 · 422화면

아오조라 문고

従って之は遂に紛議のキッカケにならずに済むことが出来た。

それはそれでいいのであるが、しかし当時或る新聞紙は、この館員が山中に逃避するまでの心理過程を、まことしやかに書き立てたものだ。それによると彼は元来哲学的(?)な性格の持ち主であったが、失踪の夜は何等かの冥想にふけって家を出たところ、星の黙示だったか月光の神秘だったか知らないが、彼を誘ってついに山上へとつれて行って了った。彼は山を登るほどに、段々現世からの離脱を快く感じ出したので、遂に山中にかくれて世を厭うにいたった、という筋書きである。

こんな馬鹿げたことを誰も本気にする人間はいないというかも知れないが、しかし、これが堂々と新聞の社会面に段抜きで押し出されるのを見ると、こういうものを「常識」として受け取る読者も少なくないのかも知れない。哲学――冥想――星――月光――神秘――遁世、こういう一連の常識的連絡は、今日でもなお床屋的社交界などでは通用するのかも知れない。いやその新聞の記者や編集者は、確かに通用すると考えたに相違ないのだ。

無論現代は藤村操時代ではないから、今日の第一線の常識としてはこんなものは通用しないのは断わるまでもないのだが、問題は新聞の社会面などに現われる、社会現象に対する「常識」