후리가나로 읽는 일본 고전
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あやしのやかた
怪しの館 短編
国枝 史郎
国枝 史郎의 怪しの館 短編(あやしのやかた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 81,915자 · 165화면
その本所の亀沢町に身分こそ徳川の旗本であったが小禄の貧しさは損じた門破れた屋敷の様子にも知れる左衛門太郎という武士があった。実子の麟太郎はまだ少く額には前髪さえ立てていたがその精悍さは眼付きに現われその利発さは口もとに見え、体こそ小さく痩せてはいたが触れれば刎ね返しそうな弾力があった。
彼の一家も饑饉に祟られ、その日その日の食い扶持にさえ心を労さなければならなかった。その貧困のありさまは彼の日記にこう書かれてある。「予この時貧骨に到り、夏夜無、冬無衾、ただ日夜机に倚って眠る。しかのみならず大母病気にあり、諸妹幼弱不解事、自ら縁を破り柱を割いて炊ぐ、云々」ところで父の左衛門太郎は馬術剣術の達人で気宇人を呑む豪傑ではあったが平常賭け事や喧嘩を好んで一向家事を治めなかったので一家の会計は少い麟太郎が所理わなければならなかった。
ある朝、麟太郎はいつものように破れた縁へ腰を掛け米の徳利搗きをやっていた。徳利搗きというのは他でもない。五合ばかりの玄米を、徳利の中へ無造作に入れて樫の棒でコツコツ搗くのであって搗き上がるとそれを篩にかけその後で飯に炊ぐのであった。