일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かいきいっせきばなし

怪奇一夕話

岡本 綺堂

岡本 綺堂의 怪奇一夕話(かいきいっせきばなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,745자 · 18화면

아오조라 문고

私の家は表通りから五、六間引込んだ袋地のような所にあって、狭い路が往来に通じている。その狭い路のまん中に、一匹の猫が立っているのである。私は立ちどまって、月明りに窃と窺っていると、猫は長い尾を曳いて往来の方へ向って歩いてゆく。後足二本と長い尾との三脚によって、体の中心を取っているらしい。それで徐かに歩いてゆくこと五、六歩、やがて背後に窺う人あるのを覚ったのであろう。私の方を鳥渡見返ったかと思うと、忽ち常の姿勢に復って、飛鳥のごとくに走り去った。それは表通りの氷屋の飼猫であるらしかった。

あくる朝、私は氷屋の店をのぞくと、猫は腰掛けの上に何げなく遊んでいた。而もそれから一月程の後、猫はゆくえ不明になった。立って歩く姿を私に見られた為でもあるまいが、彼女は遂に戻って来なかったそうである。猫の尾を長くして置くと化けるという伝説は、猫が尾の力によって突っ立ち上る為であろう。前にもいう通り、後足二本と長い尾との三脚によれば、猫の立ち上るのも不思議では無い訳であるが、実際にその立って歩く姿を目撃すると余り気味の好いものではない。

猫ばかりでなく、鼬も立つ。しかも彼は後足で真直に立って、右の前足を眼の上にかざして人を見る。