후리가나로 읽는 일본 고전
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おんしゅうのかなたに
恩讐の彼方に
菊池 寛
菊池 寛의 恩讐の彼方に(おんしゅうのかなたに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,824자 · 46화면
どこへ行くという当てもなかった。ただ自分の罪悪の根拠地から、一寸でも、一分でも遠いところへ逃れたかった。
三
二十里に余る道を、市九郎は、山野の別なく唯一息に馳せて、明くる日の昼下り、美濃国の大垣在の浄願寺に駆け込んだ。彼は、最初からこの寺を志してきたのではない。彼の遁走の中途、偶然この寺の前に出た時、彼の惑乱した懺悔の心は、ふと宗教的な光明に縋ってみたいという気になったのである。
浄願寺は、美濃一円真言宗の僧録であった。市九郎は、現往明遍大徳衲の袖に縋って、懺悔の真をいたした。上人はさすがに、この極重悪人をも捨てなかった。市九郎が有司の下に自首しようかというのを止めて、
「重ね重ねの悪業を重ねた汝じゃから、有司の手によって身を梟木に晒され、現在の報いを自ら受くるのも一法じゃが、それでは未来永劫、焦熱地獄の苦艱を受けておらねばならぬぞよ。それよりも、仏道に帰依し、衆生済度のために、身命を捨てて人々を救うと共に、汝自身を救うのが肝心じゃ」と、教化した。
市九郎は、上人の言葉をきいて、またさらに懺悔の火に心を爛らせて、当座に出家の志を定めた。