후리가나로 읽는 일본 고전
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あくまのでし
悪魔の弟子
浜尾 四郎
浜尾 四郎의 悪魔の弟子(あくまのでし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 25,202자 · 51화면
と私は刑事に何遍云われた事でしょう。けれども私はとぼけていたのではないのです。当時、否、昨日まで私ははっきりした事実を思い浮べられなかったのです。私はあの強烈な劇薬の為に、思考力と記憶力とを全部もって行かれてしまっていたのでした。
私は自分の遺書を見せられてから、一人監房の中でいろいろと考えはじめました。すると不意に頭に浮んで来たのがすえ子の、あの食べてもしまいたいような死の姿でした。右手を延ばし、仰向いて床の中に眠ったように仆れていた彼女の姿でした。
あああの女が死んでいる。俺は殺そうとした。そうだ、薬を呑ませようと考えていたのだった。してみると……
私の哀れな脳は必死にかけめぐるのでしたが、結局落ち付くところは、彼女を殺したのかも知れないという事だったのです。
斯う思った私は、おぼろげながらも記憶を辿って自分の気もちを語りました。然し何時頃からすえ子を知ったか、何故殺したか、そういう込み入った事に就いては何等答えることが出来ませんでした。
私があの日、すえ子の家を訪ねた事も立証されたのでしょう。私はいつの間にか予審判事の手に移されてしまったのです。