후리가나로 읽는 일본 고전
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おしみなくあいはうばう
惜みなく愛は奪う
有島 武郎
有島 武郎의 惜みなく愛は奪う(おしみなくあいはうばう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 79,397자 · 159화면
けれども私の周囲に在る人や物やは明かに私ではない。私が一つの言葉を申し出る時、私以外の誰が、そして何が、私がその言葉をあらしめるようにあらしめ得るか。私は周囲の人と物とにどう繋がれたら正しい関係におかれるのであろう。如何なる関係も可能ではあり得ないのか。可能ならばそれを私はどうして見出せばいいのか。誰がそれを私に教えてくれるのだろう。……結局それは私自身ではないか。
思えばそれは寂しい道である。最も無力なる私は私自身にたよる外の何物をも持っていない。自己に矛盾し、自己に蹉跌し、自己に困迷する、それに何の不思議があろうぞ。私は時々私自身に対して神のように寛大になる。それは時々私の姿が、母を失った嬰児の如く私の眼に映るからだ。嬰児は何処をあてどもなく匍匐する。その姿は既に十分憐れまれるに足る。嬰児は屡過って火に陥る、若しくは水に溺れる。そして僅かにそこから這い出ると、べそをかきながら又匍匐を続けて行く。このいたいけな姿を憐れむのを自己に阿るものとのみ云い退けられるものであろうか。縦令道徳がそれを自己耽溺と罵らば罵れ、私は自己に対するこの哀憐の情を失うに忍びない。