후리가나로 읽는 일본 고전
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せきべつ
惜別
太宰 治의 惜別(せきべつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 91,984자 · 178화면
東京に着いて、先輩の留学生の世話で下宿がきまって、それから上野公園、浅草公園、芝公園、隅田堤、飛鳥山公園、帝室博物館、東京教育博物館、動物園、帝国大学植物園、帝国図書館、まるでもう無我夢中で、それこそあなたがさっきお話したような、あなたが仙台をはじめて見た時の興奮と同様の、いや、おそらくはそれの十倍くらいの有頂天で、ただ、やたらに東京の市中を歩きまわったものだが、しかし、やがて牛込の弘文学院に入学して勉強するに及んで、この甘い陶酔から次第に醒めて、ややもするとまた昔の懐疑と憂鬱に襲われる事が多くなった。自分が東京に来たこの明治三十五年前後から、清国留学生の数も急激に増加し、わずか二、三年のうちに、もう支那からの留学生が二千人以上も東京に集って来て、これを迎えて、まず日本語を教え、また地理、歴史、数学などの大体の基本知識を与える学校も東京に続々と出来て、中には怪しげな速成教育を施して、ひともうけをたくらむ悪質の学校さえ出現した様子で、しかし、そのたくさんの学校の中で、自分たちの入学した弘文学院は、留日学生の、まあ、総本山とでもいうような格らしく、学校の規模も大きく設備もととのい、教師も学生もまじめなほうであったが、それでも、自分は日一日と浮かぬ気持になって行くのを、どうする事も出来なかった。