후리가나로 읽는 일본 고전
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おもいで
想い出
佐藤 垢石
佐藤 垢石의 想い出(おもいで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,792자 · 8화면
その頃、小田原地方では静岡地方と同じように、加賀鈎や土佐鈎を使う沈み釣りを、石川釣りといって、ドブ釣りとはいわなかった。ドブ釣りとは、多摩川を中心とした釣り人が造った言葉であったからだろう。
石川釣りをやる人も、まだ酒匂川筋では稀であって、多くは石亀(川虫)を餌にした虫釣りか、十本五銭位で買える菜種鈎という黄色い粗末な毛鈎で、浮木流しをやっているのと、職業漁師が友釣りとゴロ引きをやっていた。
六月一日の鮎漁解禁日がくると、引き続いて毎日出かけた。利根川式の鈎合わせで釣ると並んで釣っている誰よりも、一番数多く私に釣れた。深い場所では青お染、浅い場所では吉野が成績をあげたのである。
解禁後、一週間ばかり過ぎると、余り釣れなくなった。そこで、人々はあきらめたと見えて、川へ姿を見せる者は少なくなった。けれども、私は根気よく続けていた。ある日、朝飯をゆっくりすませて、国道の木橋の上手の釣り場へ行ってみると、一人の職漁師風の老人が私の佇む岸より少し上手の荒瀬で友釣りをしていた。私はいつものとおり、道具を竿につけて、静かに竿を上げ下げしたが、その日はどうしたわけか全く駄目で、田作ほどの小鮎が、二、三尾釣れたばかりであった。