후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
おろかないちにち
愚かな一日
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 愚かな一日(おろかないちにち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 14,045자 · 29화면
然し何も見てはいなかった。
彼はその空しい寂莫のうちに甘え耽りながら、どれ位時間がたったか知らなかった。その時女中のはるが、一通の手紙を持って来た。
「奥様は只今手が汚れて被居いますから。」と彼女は云った。
手紙は東京の秀子から妻へ宛てたものだった。彼はその封を切った。例の通りつまらないことをも甘ったるい文句で長々と認めて、終りに、静子さんをも誘って明後日あたり遊びに行くかも知れないというようなことが、書き添えてあった。
手紙を読んでるうちに、彼の心は次第に明るくなった。読み終ってそれを枕頭に放り出すと、彼の気分は一種の快い雰囲気に包まれていた。彼女等の派手な衣裳の色彩や明るい声の調子などが、彼の頭に浮んできた。
すると彼の心のうちに、妙な矛盾が起ってきた。一瞬間前の陰欝な気分と現在の快暢な気分とが、その間に不調和な溝を拵らえて、彼の心の中で互に面し合ったからである。自分でも訳の分らない妙な矛盾さであった。そしてそれを見つめながら、彼はいつもの癖となってる、きびしい自己解剖に耽っていった。
――病人にとっては、男性の力よりも女性の柔かさの方がよほど快い。