후리가나로 읽는 일본 고전
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あいとにんしきとのしゅっぱつ
愛と認識との出発
倉田 百三
倉田 百三의 愛と認識との出発(あいとにんしきとのしゅっぱつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 64,420자 · 129화면
「私は十年経てば死ぬと医者から宣告せられてるのだぜ。過去は暗黒だ。未来は謎だ。短い命を誰がくだらぬ思索なんかに費すものか。私にはそんな余裕はない。私には『生きる』ということが仕事の全部だ。なるほど生きているなと思うには強い、濃い刺激が要る。それには歓楽に如く者は無い。鼓の響き、肉の香、白い腕、紫の帯、これらは私の欠くべからざる生活品だ。これらが無くては寂しくて堪らぬ。私の頸からは切っても切っても汚い、黄色な膿がどぶどぶ出る。君らは鏡に向かって自分の強く美しき肉体を賛美することは知ってても、肺病患者が人知れず痰を吐いて、混血の少ないのにほっと息を吐くときの苦心は知るまい。私は死に面接してる。君らは死を弄んでる。死は私には事実だが君らには空想だ。『自然』に反抗するとき死は恐怖だが、降参してしまえば慰安だ。君らは早叶わじと覚悟して、獅子の腕の下るのを待ってる小羊の心がぞんがい安静なのを知らないのだ」ざっとこんな意味のことを嘲るように、投げ出すように言った。私はなんだか私らの思索の前途がおぼつかなくなった。帰宅すると机の上に君の手紙が置いてある。それを読むとまたいっそうのこと心細くなった。