후리가나로 읽는 일본 고전
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あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
山川 方夫의 愛のごとく(あいのごとく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 103,908자 · 210화면
独り言のようにいい、荻村は車をとめた。夕暮れの街を、タクシーは桜木町駅へと走り出した。
「でも、ダーチーには、まだはっきりとはいわないでおくよ、その方が都合いいんだろう? あいつもへんにカッとくるところがある」
荻村はいった。「どこでもバンドはここんところは目がまわるようにいそがしいし、どうせ、そんなにすぐ僕にもドラマーがめっかるわけじゃないんだ。いずれにせよ、もうすこしは続けていてくれるとありがたいね」彼はくりかえした。「ね、もうちょっとね」
「ええ、そうさせて下さい」
胸にかかえあげた風呂敷包みのかげから、信二は強い眼眸で窓をすぎる賑わった街を見ていた。どうやら解雇の予告なのだと思えた。もうちょっとね。荻村の言葉を口の中でくりかえした。
突然、熱いものが胸にながれた。「もうちょっと」だ。チャンスはわずかしかない。そのあいだにおれは彼女の肌を抱こう。彼女の肌を嗅ごう。絶対に一度彼女と寝てやるのだ。
街を派手なコートを着た女をつれ米国の兵士が歩いて行く。新春のマ元帥の声明は、終戦以来五度目の新年を迎えた統治の安定を謳っていて、占領軍の兵士たちの町を行く姿は、すでに鎖つきの犬よりも目にしたしいものになってしまっていた。