후리가나로 읽는 일본 고전
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あいよあい
愛よ、愛
岡本 かの子
岡本 かの子의 愛よ、愛(あいよあい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 46,138자 · 99화면
巴里にも三十年、まあ三十年もまめに働けばもう、楽に穴にもぐって行く時節が来たというものですよ。
パッシー通りで夫婦揃って食料品店で働き抜いた五十五、六の男の自然に枯れた声も秋風のなかにふさわしい。男は小金を貯めた。多くの巴里人のならわし通りこの男も老後を七、八十里巴里から離れた田舎へ恰好な家を見付けて買取り、コックに一人の女中ぐらい置いて夫婦の後年を閑居しようという人達だ。
――店の跡を譲った人も素性はよし(もちろん売り渡したのだが)安心して引込めますよ。この秋は邸のまわりの栗の樹からうんと実もとれますし、来秋から邸についた葡萄畑で素敵な新酒を造りますよ。どうぞおひまを見てお訪ね下さい。
相手になっているのは、これも勤勉な隣街の大きな靴店のおやじだ。
ひるひとときはひっそりとする巴里。ひるのひとときが夜のひそけさになる巴里。秋は殊さらひそかになる昼だ。
何処か寂然として、瓢逸な街路便所や古塀の壁面にいつ誰が貼って行ったともしれないフラテリニ兄弟の喜劇座のビラなどが、少し捲れたビラじりを風に動かしていたりする。
ブーロウニュの森の一処をそっくり運んで来たようなショーウインドウを見る。